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容疑者Xの献身 [本(東野圭吾)]

タイトル:容疑者Xの献身
著者:東野圭吾


<内容>
花岡靖子と娘の美里が二人暮らしをしているアパートに、突然何の前触れもなく靖子の元夫である富樫が訪ねてきた。
富樫は靖子にとって厄病神だった。靖子は何度引っ越しても富樫に居所を突き止められ、しつこく付きまとわれて困っていた。
この日も話がこじれて、当然のように暴力を振るい出した富樫。
そしてその結果、靖子と美里は富樫の暴力から必死に自分達を守ろうとして、勢い余って富樫を殺してしまう。
殺人を犯してしまった事に、呆然とする母娘。
そこへ、異変を聞き付け、アパートの隣人である数学教師の石神が駆けつけた。
石神は部屋の状況を見て、何が起こったのかを瞬時に判断した。
靖子に対して密かに憧れを抱いていた石神は、母娘を救うべく、自らアリバイ工作に力を貸すと言い出した。


<感想>
最近の東野さんの勢いはすごいねぇ〜。ドラマ化や映画化される作品が多い多い。この作品も映画化されちゃったし。
映画も気になるところだけれど、原作が最近やっと文庫化されたので、待ってましたとばかりに早速買って読んでみました。

期待を裏切らない面白さ。さすが東野さんって感じの一冊でした。
ガリレオでお馴染みの天才物理学者・湯川と、その湯川も認める天才数学者・石神の対決が一番の見物でしたね。
読み始めたら先が気になってしょうがなくなってしまい、最初から最後まで一気に読んでしまいました。

富樫殺害時の靖子と美里の完璧なアリバイを作るため、石神が綿密な計算でシナリオを作り上げるんですが、このトリックがどのようなものなのか、最後の最後までわからなかったんですよねぇ〜。
ラストでその全貌が明らかになった時、月並みな言い方なんだけれど、かなりの衝撃を受けました。まさかこんなトリックだったなんて・・・。

私は正直言って、冒頭で石神が登場して靖子と美里に自分からアリバイ工作を申し出た時、「この人ってヤバイ人なんじゃないの? 後からこの事をネタに、母娘に付きまとったりするんじゃないの?」って思っていたんです。
でも、本当はとても純粋に靖子を好きだったんですね・・・。読み終わって切なくなりました。

見返りを何も求めない無償の愛で、ここまで凄まじい事ができるのかと、トリックに対する衝撃も大きかったけれど、石神の想いの深さに対する衝撃のほうが遥かに大きかったです。
追い込まれてしまった時に、万が一にも靖子を裏切る事がないよう、自分自身の逃げ道を断つというやり方を選んだ石神。
トリックの意外性はとても面白かったし、全体を通して楽しませてもらったけれど、悲し過ぎるラストでした。






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コメント 4

ぐれなでぃん

逃げ道を断つ悲しすぎるラスト・・・そっか、切ないねぇ(T_T) 
この方の本は超売れてるのわかるんだけど
男性が書いたのって躊躇しちゃうんだよね、何故か!?
松本清張と連城三紀彦しか読んでないかもー\(◎o◎)/!
最近クリスティーは読まないの?『殺人は容易だ』面白かったよ~!
クリスティも、殆ど網羅に近いなぁ。。。

by ぐれなでぃん (2008-10-07 17:15) 

やや

おお!久しぶりの小説紹介ですね♪
しかも私の大好きな東野さんだ~最近ドラマ化や映画化が多いけど
やっぱり本を読みつつ妄想を広げるのが一番おもしろいんですよね。

by やや (2008-10-08 22:12) 

翠

>ぐれなでぃんさん
最近すっかり日本人作家にはまってしまってました(^^;)
私は海外の作家を読み続けていたかと思うと、今度は日本人作家を続けて読んで、それに飽きるとまた海外の作家さんに戻って・・・という繰り返しなんですよ~。
今はちょうど日本人作家の本を読み続けている状態ですね。
あ、でも、ぐれなでぃんさんのコメントをみたら、急にクリスティを読みたくなってきました。
「殺人は容易だ」はまだ読んでいないので、ぜひ読んでみます!
by (2008-10-10 15:12) 

翠

>ややさん
東野さんの作品は、ドラマや映画も楽しみなんですけど、やっぱり本を読むのが一番だなって思います。
私も頭の中でかなり妄想してますよ~(^^)
ホント、それが楽しいんですよね~☆
それに、映像になってしまうと、原作とは内容の違うところが結構多いし・・・。
ドラマのガリレオでも、柴崎コウが演じているキャラクターは、原作では登場しないですしね~。
まぁ、それはそれで面白いんですけどね(^^;)
by (2008-10-10 15:21) 

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