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三つの棺 [本(海外作家)]

タイトル:三つの棺
著者:ジョン・ディクスン・カー

<内容>
酒場で吸血鬼談義をしていたグリモー教授とその友人達の前に、突如現れた黒装束の謎の男。重要な話があるので後日訪問したいというその男の言葉に、狼狽を隠せないグリモー教授。
それから三日後の夜、言葉通りに謎の男は教授を訪問し、やがて教授の部屋から銃声が響き渡った。
居合わせたフェル博士達が部屋に駆け付けると、グリモー教授は胸を撃たれて倒れていた。
しかし、部屋の中にいるはずの謎の男は、完全な密室状態であったにもかかわらず、部屋の中から忽然と姿を消していた。


<感想>
これぞまさしく推理小説って感じの一冊でした。
久しぶりに頭をフル回転させながら読んだ気がします。

謎解きについては後で書かせていただくとして・・・

この本、本当にいろんな意味で楽しめました。
密室の謎解きを純粋に楽しめるのはもちろんですが、何よりも終盤近くに繰り広げられる「密室の講議」がイイんですよ。これはミステリーファンにはたまらない内容だと思います。
推理小説における様々な密室の状況を細かく説明していて、読んでいて「なるほど~」と唸ってしまいました。
それに、有名な推理小説のトリックを例として取り上げて、ネタバレとも思えるような解説を堂々としちゃってるんですが、これにはかなり驚きました!
こんな事しちゃっていいのかな? 普通ありえないですよ!


三つの棺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 カ 2-3)

三つの棺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 カ 2-3)

  • 作者: ジョン・ディクスン・カー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1979/07
  • メディア: 文庫



さて、ここから先はこの本の一番のみどころ、密室トリックについて書こうと思います。

え~と、こういう場合、どこまで書いたらいいのか加減が難しいですね。
この先は結構重要なヒントとか出てきちゃうと思いますので、ネタバレOKな方、もしくは一生この本を読まない(笑)って方のみ読んで下さいませ。


物語の随所に密室の謎を解くためのヒントがいくつもちりばめられているんですが、それを一生懸命拾い集めてもなかなか真相にたどり着けずに四苦八苦してしまいました。
・・・っていうか、しっかり拾い集めているつもりで、かなり取りこぼしていたヒントがありました。

ホントにねぇ、見逃してはならない大事なところを、キレイにスルーしちゃってました、私。
まさか「ビッグ・ベン」と「教会の鐘の音」、そして「ウィンドウの時計」がそんなに重要な鍵だったなんて、全然思ってなかったです。
そこを拾わなければ、絶対に真相にたどり着けないと言うのに・・・。
逆に言えば、そこに気がつけば真相にたどり着ける確率がぐんと高くなるのかも。
でも、そこに気がつく人って、一体どれくらいいるんだろう・・・。
まさか、あの「二発目はお前だ!」のセリフが、殺された本人の口から出たセリフだったなんて・・・。

それに、「第一の棺」「第二の棺」「第三の棺」という大きな三つの章に分けて物語が展開されるってところも、(読んだ事がある方なら納得して下さると思うのですが)うまい騙しのテクニックだなぁ〜って思いました。
そこでも見事にはめられたって感じです。

密室トリックといい、犯人の意外性といい、密室の講議といい、いろんな意味で楽しませてもらった一冊でした。


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ぐれなでぃん

密室殺人は推理しながら読み進めるから頭使うんだよね。
もうクリスティもほぼ網羅しちゃったのでコレ読んでみようっと・・!
秋~冬はココアでも飲みながらミステリーにふける!至福ですね^^♪
あ、アルコールのがよいか^_^;
by ぐれなでぃん (2008-11-08 22:12) 

翠

>ぐれなでぃんさん
クリスティをほぼ網羅だなんて凄いですね〜!
私はまだまだ読んでいない作品がいっぱいあります。
でも、それだけ楽しみがいっぱいあるって事ですね。
そういえば、この前教えてもらった「殺人は容易だ」を買いました!
今度の週末にでも、暖かいココアかカフェオレでも飲みながら読もうと思っています☆
え、アルコールですか? ミステリーを読む時は飲みませんよ〜
頭の回転が鈍るので(^^;)
by (2008-11-12 18:56) 

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